名作家具と斬新な感性が響き合うイタリアンモダンレジデンス -大阪市中央区M邸-

大阪の中心に佇む新築タワーレジデンスを舞台に、オーナーMさまのセカンドハウスが誕生しました。
既に一度ご自宅のリフォームを経験されているMさまご夫妻。
その際、期待していた仕上がりと実際のお住まいの完成度にギャップを感じられたそうで、今回のセカンドハウスの改修ではパートナー選びを慎重に行われました。
Re:Mansionを知ったきっかけは、YouTubeのルームツアー動画。紹介されている事例から、Re:Mansionの「高いデザイン性」「丁寧な仕上がり」「完成度の高さ」を評価していただき、お声掛けいただきました。
まずは、ご期待に応えるべく、ご主人と奥さまそれぞれの感性を丁寧にすくい上げながら、お住まいに求める価値観やインテリア空間のイメージ、求める機能性などをヒアリング。
ただ美しく整えるだけのリフォームではなく、Mさまご夫妻の感性に響く内装デザインをカタチにするため、部分的な解体工事、既存照明の撤去、タイル・クロス・照明器具の選定に加えて、特別仕様のガラスパーテーション、キャビネット、造作家具など、一つひとつの工程を熟考し、丁寧にプランに落とし込みご提案させていただきました。
各空間を繋げるシークエンスにもこだわり、異なる材料を「色味のトーン」「向き・高さ」、照明演出といった組み合わせによって視覚的な違和感を生まないように。玄関からLDKまで、自然と視線が誘導されるよう工夫しています。
セカンドハウスらしい非日常感のエッセンスを溶け込ませながら、一切の無駄をそぎ落とし、どこまでも上品に、どこまでも豊かに——。
ご夫妻が思い描いた理想のすべてを、洗練の名のもとにカタチにした珠玉のレジデンスとなりました。
竣工:2024年5月
立地:大阪市中央区
目次
- 既存に捉われない発想で生まれた「魅せる導線」
- 静かに非日常へ誘う、洗練されたエントランスデザイン
- 愛用品を引き立てる、設えとしてのタワーキャビネット
- DEN解体×異素材が叶えた特別な間仕切りデザイン
- 静かに存在感を放つオリジナルカップボード&カウンター
- 空間に品格を添える、選び抜かれた名作家具たち
- 光と陰影で美しい、ドレッサーを主役にした寝室
- 美と感性が宿る、上質なサニタリー空間
- ご提案したCGパース紹介
既存に捉われない発想で生まれた「魅せる導線」
大阪市中央区M邸のお住まいは、玄関の扉を開けるとLDKへと続く廊下が一直線に伸びる間取りです。
Re:Mansionによるリフォーム前は、「窓などがないために生まれる”閉塞感”」「閉塞感を軽減するための選ばれた”明るいクロス”」「生活に支障がないよう天井中央に配された”ダウンライト”」など、一般的なマンションと同じく、スタンダードな仕様の内装で仕上げられていました。
Mさまご夫妻が求められていた「高いデザイン性」と「独創性」を感じる内装からは程遠かったため、既存のフローリングはそのまま活かしながら、クロス、ダウンライトなどはすべてご提案させていただく方向に。
Mさまの好まれるインテリアテイストや感性のすり合わせを行い、ダウンライトやベースクロス、タイルなど、マテリアルを選定させていただきました。
また、今回は、奥側正面の壁面を一部解体し、新たにガラスキャビネットを設えることに。
ベースクロス、複数のセラミックタイル、ガラス、既存フローリングなど、異なる素材が集約するこちらの空間は、特に、色味、質感、レイヤーを綿密に計算して設計されました。
同時に、視線が迷うことなく空間のアイキャッチであるガラスキャビネットに向くように、艶感と照度を計算。重厚な中に、凛と美しい空気が満ちる、特別感たっぷりの空間が完成しました。
今回のこだわりは、空間から空間へ無意識に視線を誘導させる「魅せる導線」です。
ガラスキャビネットに留められた視線は、自然とLDKへつながる左手側のガラス製扉に移動し、奥に垣間見えるLDKの様子に期待感が高まります。
こちらの写真。一見すると、まるで扉がないように感じますが、良くご覧いただくと、写真右側に扉の取手が在るのがお分かりいただけますでしょうか。
扉を開けると、まるでガラスのベールが取り払われるように視界がクリアになり、美しい壁面タイルともてなしのディスプレイ空間に視線が奪われます。
さらに、室内に足を踏み入れると、そこに広がるのは名ブランドの家具がレイアウトされたシンプルモダンなLDK空間。
玄関から廊下、廊下からガラスキャビネット、キャビネットからガラス扉を抜けて辿り着くLDK。
足を進めるごとに、喧騒が少しずつ遠ざかり、ご夫妻だけの心地よい時間が始まります。
「魅せる導線」のポイントとなった3点を、簡易的な間取りのBefore→Afterでご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
廊下奥に新設されたガラスキャビネット、DEN空間の解体、新たにプランされた斬新なガラスパーテーション。これから順番にご紹介してまいります。
静かに非日常へ誘う、ホテルライクなエントランス
玄関からLDKまでの「魅せる導線」をご紹介したところで、改めて廊下側からリフォーム内容の詳細をご紹介いたします。
まずは、Mさまご夫妻を出迎える玄関。セカンドハウスらしい、非日常感と特別感を出したいと、既存のダウンライトを撤去し、新たなダウンライトで光量を調整しました。
さらにマテリアルも厳選し、壁面にはセラミックタイル「ZA-0714 / RIVIERA」を、一部の壁面にブロンズミラーを施工いたしました。
ダウンライトには、埋込穴の小さな50φの器具を選定し、廊下に貼ったタイルを際立たせるため、壁にぐっと寄せて配置。ダウンライトの光をタイルに浮かび上がらせています。
タイル施工部分の端部には、見切り材を入れる場合もありますが、空間のシークエンスが損なわれることを危惧して、今回はあえて見切り材を入れない仕様にこだわりました。
扉横のわずかな壁面にもこだわりのタイルを施工し、空間の流れを途切れさせないようにしています。
愛用品を引き立てる、設えとしてのタワーキャビネット
廊下の奥に設えられたガラス棚のタワーキャビネットは、裏面に位置するキッチンスペースの一角を利用し、解体&造作工事で間仕切り位置を変更し再構築しました。
こちらがキッチン側のリフォーム前の様子です。廊下正面の壁面と、背面に位置するキッチン側壁面の凹凸を利用し、廊下側にガラスキャビネット用のスペースを確保いたしました。
事前にキッチン側で冷蔵庫を置くスペースと、オリジナルのカップボードを納めるスペースを把握し、内覧時に実測。奥行が深い冷蔵庫用のスペースが充分に確保できると確認し、写真の明るいスペースを廊下側に反転させる解体&造作工事を行いました。
美しいガラスキャビネットは、Mさまご夫妻のためだけに設えられた特別仕様です。背面壁にはタイルを施工し、両サイドに間接照明を仕込みました。
棚板はすべてガラスを使用することで、照明の光を遮らず、縦の長さを美しく強調します。ガラス棚は、飾るもののサイズによって高さを変えられる仕様に。
撮影にお伺いした際は、Mさまご夫妻お気に入りの、「 Carlo Moretti(カルロ モレッティ)」のヴェネチアングラス、ドイツを代表するグラスメーカー「RITZENHOFF(リッツェンホフ)」のグラスなどがディスプレイされていました。
また、キャビネットの左側の壁面には、デザイン性の高いセラミックタイル「fia-x9360 / NAGOYA MOSAIC-TILE」を施工しました。壁面タイルは廊下はもちろん、LDKにも使用されており、空間に一体感が生まれるようにプランナーが厳選したものです。
DEN解体×異素材が叶えた斬新な間仕切りデザイン
LDKへと続くガラス扉を開けると、正面にはシーンや気分に合わせてディスプレイが楽しめる小さなステージが設けられています。
実はこちらは、もともとLDKに隣接していたコンパクトなDEN(書斎)を解体して生まれたスペースです。
「DEN」とは、書斎や趣味を楽しむために設けられた空間を指し、昨今では、ご自宅で仕事をされる方に特に重宝されるスペースです。
しかし、Mさまご夫妻からはご相談当初よりDENを解体し、リビングダイニングを拡張したいとご要望をいただいておりました。Re:Mansionとしても、LDKの入り口にDENがあることで、視界が遮られ、LDKから広がる景観を楽しめないことが気がかりでしたので、DENを解体する方向で進めることに。
また、同時に浮上したのが「壁掛けテレビをどこに配置するか」という点です。Mさま邸のLDKは、窓が多く、テレビのディスプレイ画面を壁掛けするために必要な壁面が限られています。本来であれば、DENの間仕切り壁周辺も候補の一つでしたが、今回の解体で壁自体がなくなってしまいました。
解体した後の壁面に設置するとしても、LDKの扉を開けて目の前にTVがあるのはあまり見栄えも良くなく、視聴の妨げになる可能性も。
そこでプランナーが考えたアイデアが、建物の構造上解体できない、天井梁や柱部分をあえて活かすこと。DENの柱壁を基調とし、新たにデザイン性の高い間仕切り(パーテーション)を設置するプランです。
フィックスガラスを利用したパーテーションを作成し、既存の壁にはタイルを施工し、融合。
異素材を組み合わせた新たな間仕切り壁が誕生しました。
この斬新なデザインは、廊下からリビングへの視界の抜け感を確保しつつ、訪れた人の視界を惹きつけ、テレビ画面の存在感を薄くします。
LDK入口周辺の壁面には高級感たっぷりのテラゾータイルを施工することで、シャープさと上質さを絶妙なバランスで両立させ、廊下側とリビング側の空間が美しくゾーニングされました。
ブロンズガラスとグラナイトフレームが織りなす、ガラスパーテーション。メタリックな質感の中に、上質な品格が漂います。
テレビ周りの壁面には、重厚感あふれるテラゾータイル「FRAMMENTA(フラメンタ)ZE-0603/RIVIERA」を施工。
イタリア・ミラノ建築の外構にもよく使用されるこちらは、優しい色合いの中に、ランダムで美しい小石の粒模様が散りばめられた表情豊かなタイルです。
パーテーションにガラスを用いる発想で、重厚でありながらもどこか軽やかな印象に。どこから眺めても美しく映えるこの一枚のプラン提案は、Mさまご夫妻からのご期待も大きく、仕上がりにも大変ご満足いただきました。
静かに存在感を放つオリジナルカップボード&カウンター
生活の中心といっても過言でもないキッチンは、設備が必要不可欠となるスペースです。しかし、大阪市中央区M邸でこだわったのは、設備すら室内の景色に変えてしまうデザイン性の高い「愛でるキッチン」。
廊下側へのガラスキャビネットの造作のために、一部を解体したカップボード背面は、その過程を一切感じさせない完成度。
造作家具の面材、クロスの色味やトーンを厳選し、ノイズを感じさせない家電をセレクトすることで、キッチン空間全体から生活感を排除し、リビングダイニングと調和するようにプランニングいたしました。
カップボードと冷蔵庫上収納は、Re:Mansionのオリジナル家具。自社工場にて熟練の職人たちが丁寧に製作いたしました。
カップボードのオープン部背面には、落ち着きのある光沢感を放つカラーガラス「ステンブロンズ / NSG Interior」を施工しました。飽くことのない静かな存在感が、キッチンの美しさを引き立たせます。
カップボードの天板は、キッチンの既存天板にトーンを合わせてプランナーがセレクト。背面のカラーガラスとのバランスを考慮し、天板は艶の抑えたタイプを採用いたしました。
細かなディティールを統一し、キッチンだけでなく、リビング・ダイニングと、LDK全体の一体感にもこだわりました。
続いて、ご紹介するのは、新たに設置された対面式のキッチンカウンターです。
カウンター壁面には、リビングダイニングと同品番のベースクロス「RH-9081 / RUNON」を貼り、天板に人工大理石を採用したカウンターテーブルを設置しました。
脚のないフロート仕様のカウンターテーブル。ダイニングテーブルとしての役割も兼ねて設計されているので、スペース効率を高めてくれています。
厚みのあるテーブルトップは、人工大理石「4230 Shitake / caesarstone」。天然石本来の素材が持つ美しさを維持しながらも、汚れや傷がつきにくく、お手入れがしやすい素材です。
機能性とデザイン性を兼ね備えた静謐なダイニングスペースに仕上がりました。。
空間に品格を添える、選び抜かれた名作家具たち
大阪市中央区M邸の内装を語る上で欠かせないのが、各空間に静かに佇み、そっと品格を醸す、ハイエンド家具メーカーのインテリアの数々。
リビングダイニングには、カッシーナの名作家具「マラルンガソファ」を。
時代を超えて愛される秘訣は、かわいらしさと美しさの共存した佇まい。さらに、素材や構造など、その時代に合わせてアップデートを重ね進化し続ける名品です。
幾重にも重ねたクッションのような、柔らかで包み込まれるような座り心地。そして多面的で美しい意匠。一つのソファでハイバック・ローバックを使い分けられる機能性も特徴です。
パイピングによって強調された丸みのある優しい輪郭が、より一層モダンで若々しい印象を与えます。
■Sofa:675-3PW MARALUNGA 40-S/40 / Cassina ixc.
続いてご紹介するのは、同じくカッシーナのローテーブル「LAGO(ラーゴ)」。
直線的で繊細なフレームと、円形のガラストップ。その対比が、リビング空間を引き締めるアクセントに。
■Side Table:LAGO / Cassina ixc.
リビングの足元には、arflexのラグをワンポイントにレイアウト。ラウンド型のフォルムが直線的な家具の中で柔らかなリズムを生み、視覚的にも触感的にも心地よく、リビングに自然な温もりをもたらします。
■Rug:MELLOW SD / SD 3735-222 / arflex
最後にご紹介するのは、カッシーナのダイニングチェア「CABチェア」です。
背もたれからアームにかけての緩やかなカーブは、座る人の身体を優しく受けとめ、肘をかけたときの心地よさまで綿密に計算されています。
カッシーナ独自の厳しい基準をクリアした最高級の鞣し革は、座るたびに馴染み、時とともに味わいを深めていきます。
■Dining Chair:413 CAB / Cassina ixc.
光と陰影で美しい、ドレッサーを主役にした寝室
穏やかさを追求した主寝室は、奥さまの好みを丁寧に取り入れ、ノイズを感じさせない、柔らかな空間デザインに仕上げました。
ベースクロスは間接照明の光が似合う「RH9082 / RUNON」をセレクトし、すべて貼り換えました。
ミニマルモダンなベッドヘッドには、リブパネルを使用し、その背面に優しく光る間接照明を設置しています。
オーナーさまのお気に入りであるAesopのルームスプレーが、ベッドヘッドに美しく佇みます。
Re:Mansionオリジナルのドレッサーには、照明付きのミラーを導入。
ブラックフレームの上下ラインに沿って灯る間接照明が、シンプルさの中にさりげない華やぎを添え、空間に絶妙なアクセントを与えています。
美と感性が宿る、上質なサニタリー空間
硬質な素材の持つ凛とした美しさと、柔らかな灯りが織りなす陰影。その絶妙なバランスで新たな空間へと生まれ変わったサニタリースペース。
ベースクロスをすべて貼り換え、扉を開けた正面の壁面にガラスパネル「ステンブロンズ / NSG Interior」を施工しました。既存の吊戸収納も、空間美を損なわないよう新たな色味のものに交換しています。
グロッシーで艶やかなガラスパネル。限られたトイレ空間だからこそ、壁面のマテリアルで雰囲気が一変しました。天井部分には造作工事でコーニス照明を仕込み、よりラグジュアリーな印象に。ミニマルかつ高級感のある空間に仕上がりました。
洗面スペースのチャイルドミラー部分には、リビエラのタイル「ZE-0902 / RIVIERA」を施工。ブリック特有の優しい表情と上品は艶めきが、水回りを洗練させます。
また、洗面ミラーに映っている洗濯機上の吊戸棚収納も、Re:Mansionのオリジナル家具となっております。
ご提案したCGパース紹介
リビングダイニングの内装デザインでご提案させていただいたCGパースをご紹介いたします。
特に、DENの解体後に新設したガラス製パーテーションは、斬新なデザインのため、CGパースでの再現がとても重要でした。
CGパースによるご提案は、お客さまがどの部分に違和感を持たれたか、どの部分がイメージ通りか、プランナーと視覚的に内装デザインを共有できるため、とても重要な工程です。
こちらのCGパースをご覧いただいた後、Mさまご夫妻よりいくつかご指摘いただきましたが、とても的確。例えば、カウンターテーブルはもっとミニマムモダンに、カップボードはオープン部を広げる、など、CGパースというベースがあるからこそ、オーナー様のご意見をすぐに反映し、プランをブラシュアップさせることができました。
ご紹介しているCGパースと、実際の完工後の写真を見比べると、どの部分が変化したのか、内装のプロセスが辿ることができます。
また、Re:Mansionスタッフブログにて、プランナー目線のプランニングのポイントをご紹介しております。
▼大阪市Mさま邸プロジェクト(ブログ)
Re:Mansionこだわりの配灯計画、さらに廊下からLDKに掛けたディティールの工夫など、事例ではご紹介しきれなかった部分を深堀りしております。
また大阪市中央区M邸は、Re:Mansion公式YouTubeにてROOMTOUR動画をご紹介予定です。ぜひ、おたのしみに。
※掲載されている情報は竣工時当時のものであり、最新のものと価格、品番、販売終了など情報が異なる可能性があります。ご了承ください。
WORKS DETAIL施工事例データ
- マンション名
- ブランズタワー大阪本町
- マンションブランド名
- BRANZ -ブランズ-
- リフォーム工事内容
- オーダー家具工事、造作工事、照明工事、タイル工事、クロス工事、ガラス工事 etc.
- 総工費
- \12,350,000-
※総工費は契約時のものです。施工時期・物件状況などにより変動します。 - 施工箇所
- 新築リフォーム