家具職人便り「店舗用家具とテレビボードの製作風景」
こんにちは。リクリエイト西宮工場でオーダー家具製作を担当している家具職人のヒロシです。
今日は最近進めている店舗関係の家具製作と、一般のお客さまからご依頼いただいたマンションオプションのオーダー家具(TVボード)の制作風景をご紹介します。
まずは店舗から依頼いただいた家具について。
これは、商品を陳列する飾り棚の一部分。カットしたパーツを並べてみました。
図面をもとに製作を進めているので職人たちはどの家具のどういったパーツなのか分かりますが、写真を見るではどんな家具ができるかまだまだ分からない状態です。
こうしたいくつものパーツを家具工場である程度組み立てて、最終的に現場(店舗)で設置と取り付け作業が行われます。
さて、先ほどの写真から少し作業が進みました。
金物を取り付けて、必要な時だけ天板を起こして使える棚ができあがりです。
これが一体どのように取り付けられるのでしょう。
私たち家具職人は、製作した家具の仕上がりを現場で見ることはあまりありませんが、今回はブログのために現場の取り付け風景を施工管理のスタッフに送ってもらいました。
いかがでしょうか。お客さまとやり取りをするカウンターの後ろに開閉式の棚を取り付きました。
使いたい時だけ立ち上げられて、広い作業スペースが生まれます。
お客さまのご要望を聞いてどういった家具がベストか、私がプランニングしました。もちろん予算を抑えることも忘れていません。
無事に企画が通ってホッとしました。実際に使っていただくのが楽しみです。
さて、続いての写真はどんなものでしょう。
箱型の家具の一部? これだけでは何に使うか分かりませんよね。
箱の内部に小さなダボ穴が開いているので、このあたりに棚板を設けるのかな?と想像した方はお目が高い。
こちらは店舗のディスプレイ棚の一部になります。
さらに、栂材を使って飾り格子を製作していきます。
この栂材を加工していきます。
こちらもできる限りコストが掛からない方法で製作を進めています。
時には家具職人同士で話し合いながら、ここをこうしよう、やっぱりここはこうした方がいいよね、と色々やり取りしながらより良い方法を決めて、製作にかかります。
そうしてでき上がった格子と、先ほどご紹介した箱型のパーツを組み合わせたのがこちらの写真です。
何だか素敵な家具に仕上がりそうな予感がしてきました。
普段なら、ここから先は西宮工場から見ることはできません・・・が!
今回も現場の取り付け作業の写真を送ってもらいました。
どの部分に設置されたか分かりますか?
オレンジの灯りが灯っている格子のディスプレイ棚が、ご紹介していた家具の仕上がりになります。
凹んだオープン部には上下に間接照明が仕込まれて、ガラス棚に飾った商品が美しく映えるようになっています。
無事に取り付けされたことは現場担当から聞いていましたが、こうして設置されている写真を見ると、きちんと収まって良かったと改めてホッとしました。
実際に店舗がオープンするのは少し先なので、また、店舗全体の仕上がりの写真が撮れたら施工事例でご紹介します。
→ちなみに今回の店舗工事の様子を、現場担当のブログに掲載していますので、ぜひご覧ください。
さて、続いてはテレビボードの製作風景です。
テレビボードは、配線経路や抽斗のレールやソフトダウンステーと言って扉をゆっくり降りてくる為の器具などが、複雑に入り混じってきます。
今回は5台の箱が最終連結されて、1台のテレビボードとなります。
その取り合いを全て書き込んだ写真を撮影しましたのでご覧ください。
一見すると全部同じ写真?と思われそうですが、すべて違うパーツです。
一枚目が製作していくパネルで、二枚目から、製作パネルと同じサイズの板を切り、その板に各パーツを当てはめながら、可動棚のダボの位置などを書き込んで、全ての取り合いを確認して製作にかかります。
この段階で色々な金物を当てはめて、全てクリアできるようにあらかじめ全体の見通しを立てることが大切です。
組み上がった状態がこのような形です。
奥に丸く穴が空いてる所が配線孔キャップが付く所です。
今回制作しているテレビボードは、下に間接照明を取り付ける予定です。
そのため、照明器具を隠す為の幕板が付きます。
この幕板は現地での取り付けになるのですが、今回はこの幕板にひと工夫プラスしました。
かき込みをしてるとこに、凸部分をはめ込む仕様にしました。
これは、強度的なメリットもありますが、一番の狙いは、照明の光が漏れないようにするところです。
ただ幕板を設置するだけだと、隙間ができて光が漏れる可能性があるので、このかき込みをいれる事で光の漏れを防ぐように工夫しました。
完成まであと少し。
こちらはまだ設置した完成写真がないので、用意したらまたご紹介しますね。
以上、家具職人のヒロシがお届けしました。