ベンチづくりの記録 その2 -加工編
こんにちは、家具職人のヒロです。
前回から、ベンチを製作する工程を紹介させていただいております。
前回のブログは材料選びの様子をご紹介いたしました。
完成系はこちらです。
今回は、座面の板を加工していきます。
まずは、耳の部分から
板の端に樹皮が残っていますので、その部分をはがします。
ノミ(木材を加工するための手工具)を使用して、なんとなく感覚的に樹皮を取り除いていきます。
次に、表面を削ります
現状では、製材所でカットした際の帯鋸(おびのこ)のノコ目が残っている状態です。
これらを滑らかにするために削っていきます。
リクリエイト西宮工場のような家具や建具を製作する工場では、このような大きな材料を加工するための大型機械はありません。
ときどき、「将棋盤を薄くカットしてほしい」とご依頼いただくこともありますが、残念ながら、それは難しいのです…
加工方法に迷った結果…
話が逸れましたが、座面の仕上げ作業に戻ります。
この表面をどう削るか、少し悩みましたが、今回は「ハンドグラインダー」加工することにいました。
というのも、
・プレーナーには板が大きすぎて入らない
・電気カンナでは「平になりすぎて面白みがない」
そう考えたからです。
少し歪みがあった方が、使い込んだような“味”が出そうな気がしたからです。
実際の作業風景
ハンドグラインダーに木工用のヤスリをつけて、表面を削っていきます。
ヤスリの粗さを変えながら、だんだんと綺麗にしていきます。
ただ、力の入れ加減を間違える、深く削れてしますので注意が必要です。
最後に、サンダーで全体を磨いて仕上げます。
仕上がりはこんな感じに
いかがでしょうか。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、全体的に“なんとなく歪んでいる感じ”に仕上がっています。
この凸凹感が、古いベンチらしさを醸し出してくれている気がします。
次回は、いよいよエイジング加工です。
お楽しみに。