[家具職人便り]『キャッチ』について
こんにちは、Re:Mansion家具職人 です。(Re:Mansion家具職人の書いた記事一覧はこちら)
前回、『ラッチ』についての記事を書かせていただきました。
今回は似た機能の『キャッチ』について書かせていただきます。
前回も説明しましたが、ラッチとキャッチの違いです。
参照:スガツネ工業(外部サイト)
この様にラッチとは、『扉の閉状態を保持する部品で、解除操作が無い物』だそうです。
解除操作が無いというのは、引っ張ったら解除されるという事です。
ほぼ、バネかマグネットです。
まずは、スライド丁番のキャッチです。
キャッチ付と言われるものです。バネ付きと呼ばれる事もあります。ほとんどのスライド丁番には、キャッチ付とキャッチ無しがあります。
キャッチ付はバネが入っており、一定以上扉を閉めるとバネの力で勝手に閉まります。
Hettich社の丁番
右がキャッチ付
Bulm社の丁番
右がキャッチ付
丁番では、ガラス扉様の物にもキャッチ付があります。
昔からあるスガツネ社の100番シリーズ
こちらのキャッチはスライド丁番なので、前記のバネ式と似た構造です。
こちらも昔からあるスガツネ社のガラス丁番
こちらは、タケノコの様な出っ張りを樹脂製の部品で掴む構造です。
最近はアルミフレーム扉が主流なので、たまにしか使用しません。
次にマグネットキャッチです。前回ラッチで紹介したものは押すと、出っ張ったり引っ込んだりするものでした。
こちらは、引っ張って解除するので、ただくっつくだけです。
これも昔からあるもので、磁石です。
丸い物や、埋め込みタイプ等ありますが、やっている事は同じです。
磁石が大変に強力なものが出たので、薄い物もできています。
写真は厚さ3ミリです。薄い物は2.2ミリの物もあります。
参照:スガツネ工業(外部サイト)
他にはボールキャッチがあります。これは、ボールをバネで押しているのです。
左右のビスでバネの強さを調整します。
ボールキャッチと似たもので、ローラーキャッチもあります。
ローラーキャッチは金属製と樹脂製のものがあります。
参照:スガツネ工業(外部サイト)
これらも昔からあるものですね。
樹脂製の物は若干形状が変わっている様な気もしますが。
その他に建具などで使用されている『三角ゴンベ』や『ローラー空錠』などもあります。
これらは、『ゴンベラッチ』と呼ばれる事もありキャッチではなくラッチ扱いかもしれませんが、一応操作が無く引っ張るだけで開けられるので、入れました。
引出しのスライドレールに付いている物もキャッチと言えます。
スライド板などで使用している3段引きのレールにもキャッチ機能がついています。
レールの奥側についている黒い樹脂パーツをレール引き出し箱側のレールが掴む事により、キャッチとなっています。
開きはじめと閉めるときの最後にちょっと重くなります。
以前に紹介したソフトクローズの引き出しレールはバネで引っ張っていますので、それがキャッチの役目をはたしています。
最後にステーにキャッチが付いている物です。
ステーにはいろいろな種類がありますが、ここではRe-Createにて使用しているソフトダウンステーで紹介させていただきます。
スガツネのSDS型の物です。
参照:スガツネ工業(外部サイト)
品番にCが付いている物がキャッチ付です。
キャッチ付の場合
緑の矢印の部分にバネが入っており、バネが金物を押しています。
押された金物が青の矢印部の凹っこみにはまる事でキャッチの効果がでます。
ステー、ソフトダウンステーには、いろいろありますので、別の機会に紹介させていただきます。
いかがでしょうか。
このほかにも色々とありますが、主要な物はこのような感じかと思います。これらを使い勝手、スペース、強さなどを考慮して選びます。