[家具職人便り]プッシュラッチについて
こんにちは、リクリエイトの家具職人です。(リクリエイト家具職人の書いた記事一覧はこちら)
前回、耐震ラッチの紹介の最後にプッシュラッチの話になったので、今回はプッシュラッチの紹介をします。
まず、『ラッチ』って何なのでしょうか。私もあまり考えずに『ラッチ』という言葉を使っていますが、そもそも『ラッチ』とは?キャッチと何が違うのでしょうか。
参照: ウィキペディア(外部サイト)
ウィキペディアではこの様な解説が。
参照:不動産・住宅情報サイトLIFULL HOME’S(外部サイト)
この様な解説もあります。
ラッチとキャッチの違いは、スガツネ工業さん(外部サイト)が説明してくれています。
この様にラッチとは、『扉の閉状態を保持する部品で、解除するのに操作が必要な物』だそうです。
今回紹介するプッシュラッチは、この扉の閉状態を解除する操作が『PUSH』動作のものです。
それでは、昔から使われている代表的な物と、現在Re-Createにて使用しているプッシュラッチを紹介いたします。
まず、前回紹介しましたクワガタラッチです。
参照: スガツネ工業(外部サイト)
これはかなり昔からある商品です。その昔は扉側に取り付ける先端の丸い部品が座金と一体になっており、少しずれると扉が閉まらなくて、ものすごく大変でした。
そこはすぐに改善されたと記憶しています。今ではわざわざ、『センタリングしやすくなっています』と記述しています。
その他に昔からあるものですと、マグネットのものもあります。
参照: スガツネ工業(外部サイト)
この様な商品は皆様どこかで見た事が有るかと思います。
次にRe-Createで以前使用していたHAFELE社の『プッシュラッチコンパクト』です。
これもクワガタラッチと似た機能で、扉の裏面に取り付けた爪状の物を掴む構造ですが、ずいぶんと小型になっています。
この商品、金物屋さんが言うには、「扉をプッシュせずに引っ張ってしまい、破損してしまう事がある」そうです。
Re-Createのお客様には、その様な形で破損してしまった方はいらっしゃらないと記憶していますが、別の物を採用する事になりました。
スガツネ工業輸入している、ITALIANA FERRAMENTA社のスリムプッシュラッチです。
参照: スガツネ工業(外部サイト)
参照: ITALIANA FERRAMENTA(外部サイト)
参照: K PUSH TECH Push Catches – Italiana Ferramenta(YouTube)
この商品は、家具本体の板に埋め込む事ができます。
写真はミディアムサイズです。
この『イタリナーナ・フェラメンタ社(外部サイト)』のプッシュラッチ
ヘティヒでも取り扱っています。
Hettich社のカタログ写真
類似の商品として、Bulm社(外部サイト)の物もあります。
Italiana Ferramenta社の物も、Bulm社の物も遜色なくどちらも良い商品なのですが、違う所があるのです。
扉側に取り付けるマグネットの受け座が違うのです。
Bulm社の受け座は真ん中にビス止めですこれがあまりよくなく。
本体の先端と受け座のビスが干渉すると損傷するらしいです。
3㎜ずらして取り付け???
次にHettich社で入れているItaliana Ferramenta社の受け座です。
こちらは、本体の先端とビス頭が干渉しない様にビスが横にずれています。
形状があまり好きではないです。
最後にスガツネ工業で入れているItaliana Ferramenta社の受け座です。
この受け座が良かったので、スガツネのプッシュラッチを私は使用しています。
左はヘティヒのねじ込みタイプ。右がスガツネで取り扱っている打ち込みタイプ。
この打ち込みタイプは表面が平らでいいのです。
なぜ、平な物がいいのかといいますと、開閉時に(特に閉めるとき)プッシュラッチ本体先端のマグネット部がこの受け座の表面をほんの少しズルのです。その際に平らだと動きがスムーズだと思うのです。
最後に。スガツネ、Bulmにある粘着タイプです。
スリムプッシュラッチを導入当初に粘着タイプ使用しました。打ち込みタイプの使用できないアルミフレームの扉にです。
これが動いてしまったり、はがれたりが発生して、お客様に大変にご迷惑をおかけしており、ビス止めの物に交換しております。
こちらも本体の先端とビス頭が干渉しない物を選んでおります。
いかがでしょうか。プッシュラッチは本当にいろいろな商品があります。
今回紹介しましたITALIANA FERRAMENTA社のスリムプッシュラッチも色が3種類、長さが3種類、取り付け方法も面付/埋め込みと選択肢が多く大変です。
用途に合わせてベストな物を選んでいます。よろしくお願いいたします。