「いい家をつくるだけでは、知られない」― なぜ、この2件を応募作品に選んだのか

ひとつの街の、さらに小さなひとつの部屋。
窓から見える景色、足に触れる床の感触、夜の時間を包む照明。
住まいの心地よさは、目に見える美しさだけでなく、日々の暮らしを形づくる細かな要素によって生まれます。
私たちRe:Mansionは、施主様の価値観やライフスタイルに向き合いながら、一邸一邸の住まいをつくってきました。
今年、「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2026」に応募するにあたり、選んだのはの「M邸」と「I邸」の2作品です。M邸では、三田ガーデンヒルズがもともと持つ素材や空間の魅力を読み取り、既存の内装に新たな間取りや家具、照明を重ねました。
一方、I邸では、施主様が選んだ家具や現代アートを起点に、それらを引き立てる空間を追求しました。
”既存の内装から始まる住まい”と、”住まう人の美意識から始まる住まい”。
異なる出発点を持つ2つの事例を通して、Re:Mansionが設計に込めた工夫と、その背景にある考え方をお伝えします。
【M邸】既存の魅力を生かし、空間を磨く

M邸は、東京都港区の三田ガーデンヒルズにある住戸です。
既存のタイル床や桜の突板で仕上げられたキッチンを残しながら、隣接する個室2室をLDKに取り込み、間取りを再構成。
部屋数よりも、人が集まる場所の広がりを優先しました。
新たなLDKに合わせ、施主様とショールームを訪れて家具を選定。
リビングには、空間の中心となるMolteni&CのL字ソファ、OCTAVEをはじめ、既存の内装との色合いや素材の調和を確かめながら、家具を含めた空間全体を組み立てていきました。
施主様のセンスを汲み取りつつ、家具選びから一緒に取り組むことも、Re:Mansionの住まいづくりの特徴です。

TV壁面には、100インチのテレビを中心に、ブラックガラスや木のリブ、エクリュカラーのガラスを組み合わせました。
間接照明や壁面収納も一体的に設計し、機能性を備えながら、素材の表情が引き立つ印象的な壁面に。
既存の内装を土台に、間取りや家具、壁面の意匠を重ねる。
新旧の要素を調和させながら、M邸ならではの空間へと仕上げています。
M邸の施工事例では、空間づくりの詳細をご紹介しています。そちらもぜひご覧ください。
【I邸】好きなものを引き立てる、背景をつくる

大阪市西区にあるI邸。
設計の出発点となったのは、施主様自身の美意識でした。
現代アートや家具を愛し、さまざまなホテルにも滞在してきた施主様。
Re:MansionのホームページやX、YouTubeも以前からご覧になっており、打ち合わせの初期には「信用しているので、お任せします」と話してくださいました。
ご希望は、黒やグレーを基調とした落ち着いた空間。
そして、ご自身が選んだ家具やアートが引き立つ住まいです。
そこで、既存の3LDKを1LDKへと変更し、収納を確保しながらLDKを広く再構成。
空間の形にも工夫を加えました。
リビングの壁を一部セットバックさせたのは、凹凸を抑え、できるだけ端正な長方形に近づけるため。
視線を整理し、家具を置いたあともLDK全体がひと続きに感じられる構成としています。
家具にも施主様のこだわりが表れています。
希望されたのは、B&B Italiaの大型ソファ「Tufty-Time」。
サイズや配置について対話を重ねながら、家具と空間のバランスを検討しました。
内装は黒やグレーを基調に、石やガラス、木、金属など異なる素材を組み合わせ、落ち着いた色調のなかに奥行きを生み出しました。

テレビ壁面は、埋め込み型のエタノール暖炉を思わせるデザインに。
異なる表情のタイルや間接照明を組み合わせ、給気口のカバーまで同じ素材で仕上げることで、設備の存在を抑えながら、壁面全体に統一感を持たせています。
アートを飾るための下地やフック、ワイヤーもあらかじめ用意。
作品の配置は施主様自身に委ね、選ばれたアートが美しく映える背景を整えています。
施主様の感性を尊重しながら、間取りや素材、光のあり方をプロの視点から提案する。
I邸では、好きなものを引き立てる空間づくりを通して、住まい手らしさと設計の工夫を両立させました。
家具や素材、設計の詳細は、I邸の施工事例をご覧ください。
異なる出発点から、住まいをつくる
M邸では、既存の内装が持つ魅力を読み取り、新たな間取りや家具、照明を組み合わせました。
一方、I邸では、施主様が大切にする家具やアートを起点に、それらを引き立てる空間を設計。
同じホテルライクな空間でも、目指す形は一つではありません。
何を残し、何を変えるのか。
どこに存在感を持たせ、何を引き立て役にするのか。
その答えは、住まいの条件や住まう人の価値観によって変わります。
決まったスタイルに当てはめるのではなく、一つひとつの住まいに向き合い、判断を重ねていく。
それが、Re:Mansionの住まいづくりです。
いい家をつくる。その先にあること
どれだけ丁寧に設計し、工夫を重ねても、その仕事の中身は、完成した住まいの写真だけでは伝えきれないことがあります。
なぜ間取りを変えたのか。
なぜその素材を選び、家具や照明をどう組み合わせたのか。
設計の背景を知ることで、完成した空間の見え方も変わるはずです。
「いい家をつくるだけでは、知られない」
この言葉には、私たちが手がけてきた住まいを、完成した姿だけで終わらせず、その背景にある考え方や工夫まで知っていただきたい、という思いを込めています。
今回の「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2026」への応募も、私たちの仕事を知っていただくための機会のひとつです。
設計の考え方に共感していただき、これからリノベーションを検討する際に、Re:Mansionを選択肢のひとつとして思い出していただけたらと考えています。
M邸とI邸。
異なる2つの事例が、住まいづくりの可能性や、自分らしい暮らしの形を考えるきっかけになればうれしく思います。
文:広報スタッフ S / 編集:広報スタッフI
「RENOVATION OF THE YEAR2026」において、Re:Mansion からは「東京都港区 M 邸」と「大阪市⻄区 I 邸」がエントリーしています。
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投票期間:9月25日〜10月27日
>>東京都港区 M邸の投票ページはこちら
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※M邸について、記事内で紹介している家具は、現在の賃貸住戸には含まれていません。今回の空間に合わせてRe:Mansionがコーディネートしたもので、家具についてもご希望に応じて提案が可能です。なお、100インチのテレビや窓まわりは、リノベーション後も残した状態で貸し出される予定です。
※本記事に掲載している情報は、取材・執筆時点のものです。リンク先の内容やメーカー製品の仕様等は変更となる場合がございます。最新情報は、各メーカーの公式サイト等でご確認ください。

