中古リノベの豆知識「断熱材工事」
こんにちは。
設計、デザイン、施工担当のスタッフNです。
(Re:Mansion施工管理スタッフNの書いた記事一覧はこちら)
当社でも、お問い合わせが多くなって来た中古マンションリノベーション工事の「断熱材」工事について、今回どのように施工しているのかを簡単にですが記載します。
【断熱材とは】
断熱材の工事は、マンションの外壁面に施工されることが多く、役割として室内の温度を快適に保ち、冬は暖かく、夏は涼しくする役割を果たします。
また、断熱材は、エネルギー効率を高め、光熱費を節約することにもつながります。
表面上は見えないけれど、居住者が健康的な生活を送るために、大切な環境を作る大切な工事になります。
そんな断熱材は、築古のマンションでは現在の基準を下回っていたり、劣化等により十分な性能が満たされていない事例が多くあります。
【断熱材の種類】
断熱材の工事は、「湿式工事」と「乾式工事」と大きく2つに分類されます。
湿式工事は、専用の機械で発砲させた断熱材を壁等に吹き付けて、施工する方法になります。
メリットは、凹凸のある壁面等への施工が比較的容易で、時間も削減できます。
デメリットは、専用の機械とコストが掛かるため、新築等の戸数のある工事で行われることが多いです。90年代以降築のマンションに多い施工方法で、新築マンションならほぼこの施工方法だといえます。
乾式工事は、断熱ボードと呼ばれる発泡スチロールの目の細かい部材を、大工工事で施工する方法です。
メリットは、一戸でもコスパが良く、施工できること。デメリットは、複雑な形の壁等に施工する場合、時間が必要になります。
一般的に、中古マンションのリノベーションでは、この乾式工事による断熱ボードを貼り付けることが多いです。
(当社でも基本的に、断熱工事はこちらになります。現状等級は3種想定、2025年度の新制度に合わせて変更予定。)
【断熱材の工事方法】
上記した中古マンションのリノベーション工事の「乾式工事」の断熱ボードに関して記載します。
まず、施工の範囲は玄関側や、バルコニーなどの外壁面の壁に実施することが多いです。
その際、まず窓周りはスケルトン状態まで解体します。
解体した後、コンクリート躯体面に断熱ボードをボンドで、隙間のないように貼り付けます。
その後、内側に壁下地材を施工し、二重床や、天井を施工し、十分な空気層を設けます。
外壁のコンクリートの躯体に、熱が伝わり易い材料を触れさせないことが重要で、断熱材で遮断します。
部屋の内側方向に施工していくため、壁の厚さが10センチ程度増すことになり、部屋が狭くなることが、どうしても避けられない仕様になります。
【まとめ】
昨今の法整理の影響で断熱材の基準は大きく変化しています。
その上で、個人的な意見になりますが、断熱材の工事はやっておいた方がいいものの、築浅のマンションでは、ほとんど必要がないような気もしています。
もともと断熱材が施工されていること、窓が多い事例も多く断熱材より、二重窓やフィルム等が適切な場合があるためです。ただ概ね、築30年以上でしたら施工した方が良いと思います。
(組み合わせとしては、断熱材+二重窓が一番良いとされています。)
今回は、中古マンションのリノベーションにおける「断熱材」について、記載させていただきました。
皆様の一助となれば、幸いです。
それでは、失礼します。