ベンチづくりの記録 その4 -流木脚をつくる-
こんにちは、家具職人のヒロです。
(Re:Mansion家具職人の書いた記事一覧はこちら)
「ベンチを作る」の続きです。四回目になります。
前回のブログでは座面の完成までを紹介しましたが、
今回は脚部の製作工程をお見せしたいと思います。
こちらが、前にもお見せしました材料です。

左側にある柱のような角材を脚として使用します。
角材といっても流木ですから、形は歪で、波に洗われ削られた独特の風合いがあります。
カットしてみると中はしっかりしていましたので、ホゾ(凹凸を差し込む伝統的な木組み工法)で組むことにしました。
脚の部分にホゾ穴を開けて、側幕板と脚貫を組むために加工します。
なるべくフラットな面にホゾ穴を開けるため、
変形した材料に対して垂直に穴を開けるには少し工夫が必要でした。
こちらが加工後の部品です。

※側幕板と脚貫は流木ではありません
これらを組み立てていきます。
接着剤を入れて、木槌でしっかりとたたき込みます。

これで、丈夫な脚が完成しました。
脚の向きにもいろいろと考えを巡らせています。
波に削られた部分が多いのですが、木裏になる面はややガサついているため、
木表が外側に向くように配置しています。
また、側幕板や脚貫が付く面は、なるべく平らな面を選びました。
胴付き部分がしっかりと密着するようにするためです。
節のある部分や、少し個性的な形状の脚はあえて前面に配置しています。
流木らしい味わいを生かし、見た目にも楽しい仕上がりを目指しました。
次回、いよいよ完成編です。
ぜひお楽しみに。