大阪市西区「西長堀」の駅近にある築14年のマンションリノベーションです。もともと、ご依頼主さまのお父さまとお母さまが住まわれていたマンションで、現状調査で伺った際は玄関やリビングダイニングに、ご両親がセレクトした上品なアートや調度品が美しく飾られていました。今回のリノベーション後も、お気に入りのものをたくさんディスプレイしたいというご要望でしたので、ディスプレイが映える照明計画を含めてプランニングさせていただきました。

もともとの間取りは4LDK。北側に5.5畳ほどの洋室が3部屋、南側のリビングダイニングには和室が隣接していましたが、お客さまと相談し、和室は解体、洋室も3部屋から2部屋へと部屋数を減らして、それぞれの空間がゆったりと使えるように。

広くなったリビングダイニングの片側にはワイドなテレビボードを2分割して大胆に取り付けて、中央にガラス棚が美しいディスプレイ棚を設置。季節や気分に合わせてたくさんのアートをディスプレイできるようにしました。また、飾った絵や花が空間に埋もれてしまわないように、内装デザインのトーンをできるだけ抑えるよう配慮。落ち着いたダークブラウンとグレーをメインカラーとし、絵画、掛け軸、生け花など、ジャンルを問わずディスプレイしても、空間そのものが額縁のようにアートを引き立てる役割を果たします。

また、レイアウト変更に伴い、大分汚れが目立っていた壁面、床フローリングはすべて解体して撤去。使い古されたトイレ、ユニットバスはすべて取り換え、システムキッチンもご依頼主さまのご要望に合わせて変更し、まるで新築のような内装に生まれ変わりました。

 

［リビングダイニングキッチン］
南側の窓からリビングダイニング全体を撮影した様子です。以前は左側のスペースが和室となっていましたが、解体してリビングイニングのスペースを拡張。例えば、ワイドなソファを置いてアート鑑賞を、というご要望にもお応えできる余裕が生まれました。左側のディスプレイラックを軸に手前の空間だけ天井高が上がっているので、入り口から見るとより空間に広がりを感じさせます。

 

［リビングダイニング・開口部］
左側の格子扉は廊下へ、右側のダークブラウンの扉は脱衣所へと続いています。どちらの扉も使い勝手の良い片引き戸をセレクトしました。

 

［リビングダイニング・オーダー家具］
リビングダイニングに入って右壁面には、ディスプレイを愉しめるテレビボードとディスプレイ棚をオーダーメイドで製作しました。手前のボードにはテレビを取り付けるための配線穴を用意しています。

 

［リビングダイニング・照明］
広がったリビングダイニングの空間が間延びしないように、折り上げ天井を設け、LEDの間接照明を仕込みました。リビングとして寛ぐ手前のスペースと、キッチンダイニングとなる奥側のスペースをさりげなくゾーニングしています。

 

［リビングダイニング・壁面タイル］
壁面の一部は高級感のあるタイル仕上げ。ダウンライトを灯すとタイルの表情が美しく浮き上がります。こちらの壁面タイルは名古屋モザイクの「ALF-U3340」と「ALF-U3540G」を採用させていただきました。

 

［ダイニングキッチン］
日当たりのよいキッチンスペースは、ゲスト視点で見たときに一体感が生まれるように柔らかな色味で統一しています。天井左側に灯っている間接照明はあえてキッチンのスペースまで伸ばすことで、空間のつながりが感じられるように意識しました。

 

「キッチン・カップボード＋収納庫」
システムキッチンには、PanasonicのLクラスキッチンを採用。キッチンカウンターの背面には、使い勝手に配慮した造作家具を取り付けたっぷりとした収納スペースをご用意しました。キッチン奥の扉は脱衣所へと続いており、家事の動線も考慮しています。

 

［洗面＆浴室］
水周りもリノベーションして、既存設備をすべて撤去し最新設備に入れ替えました。

 

［トイレ］
トイレ本体も新しい設備に入れ替えて、タンクレストイレに。すっきりとした佇まいで、背面のエコカラットと上段の造作棚と馴染んでいます。

 

［玄関周り①］
最後までデザイン提案させていただいた、住まいの顔となる玄関周りも美しく完成しました。適度な収納力とすっきりとした空間美、さり気なく間接照明を仕込むことで空間演出の効果も◎。無駄を削ぎ落すことでセンスの良さが際立ちました。

 

［玄関周り②］
扉を開けると、正面の壁にはコンパクトな飾り棚が。ダウンライトを当てることで静かな内装におもてなしの心を灯しました。