視線が抜ける、つくり込みすぎない軽やかな住空間 -東京都目黒区Y邸-
今回ご紹介するのは、壁や天井にミニマルに手を加えた東京都目黒区Y邸です。
Yさまは、ご購入されたマンションの立地や広さには満足されていましたが、壁紙や建具の色柄があまり好みではないご様子でした。お打ち合わせを重ね、テレビボードの設置や壁面装飾などもご提案させていただきましたが、暮らしの変化に寄り添えるようにと最終的にリフォーム内容を厳選し、ベース空間を美しく整える方向に。
LDKはもちろん、主寝室、廊下など、クロスを貼り替えつつ、間接照明で上質感をプラス。さりげない施工だからこそ、インテリアの変化を楽しむ余白も。
どんなインテリアのテイストにも馴染む、東京都目黒区Y邸の全貌を早速ご紹介していきましょう。
竣工:2022年5月
立地:東京都目黒区
目次
- クロスと照明で整えたリビングダイニング
- 生活感を排した洗練キッチン
- 異なる色合いを美しく納めたクロスプラン
- 静寂が似合うシンプルなベッドルーム
- 光がもたらす上質な玄関スペース
- ご提案したCGパース紹介
クロスと照明で整えたリビングダイニング
まずは、リビングダイニングからご紹介していきます。
リマンションでは、リビングの壁面に「エコカラットプラス」や「磁器質タイル」を施工するプランが人気ですが、今回はあえて装飾は控えめに。クロスを貼り替え、照明にこだわることで、空間全体のバランスを整えました。
リビングダイニングの壁面は、既存のベースクロスをすべてはがし、程よく色づいたクロス「RE-51009 / サンゲツ」に貼り替えています。やわらかい色調と、砂岩のようなザラつきは、観葉植物との相性も抜群です。
天井のベースクロスは、壁面と異なるクロス「RE-51010 / サンゲツ」をセレクト。
絶妙な色合いのクロスは、朝は心地いい自然の光を、夜は美しい間接照明の灯りを受けて、空間を引き立たせます。
さらに、天井部分は既存のシーリングライトを撤去し、ダウンライトを配置。
壁際に寄せて2灯のダウンライトを仕込むことで、壁面に美しい光が走ります。
天井のL型のライン照明も新たに手を加えたポイントです。
通常より梁に高さがないので、間接照明の器具を仕込むための「アゴ」と呼ばれる部分を造作するのに苦労しました。
また、こちらの梁部分ですが、実は内覧の際に中途半端な位置で途切れていることが発覚。
こちらが内覧時の写真です。
黄色い枠の部分をご覧いただくと、天井の梁が中途半端な位置で途切れているのがお分かりいただけるかと思います。このままでは窓際までライン照明が仕込めないので、造作工事で梁を伸ばしました。
既存の梁に追加された新しい梁部分がこちら。継ぎ目もなく、全く区別がつきませんね。
中途半端な空間の凹凸は、内覧の際に現場をみてから発覚することが多いのですが、リマンションではその都度プランを修正していきますのでご安心ください。
リビングダイニングに隣接する洋室も、奥側にアクセントクロスを貼り、既存のシーリングライトを撤去し、ダウンライトをプラスしました。
調光型のロールスクリーンは「FUGA」のもの。外からの視界を遮りながら、やさしい自然光が入ります。
生活感を排した洗練キッチン
キッチンには、オーダーメイドのカップボードを納品。
また、キッチンスペースのクロスも、空間全体のバランスをみて変更しています。もちろん、クロスの色味とカップボードの面材との組み合わせにもこだわっています。
吊戸棚と冷蔵庫上収納です。扉の開閉や物の出し入れを考慮して、吊戸棚と冷蔵庫の奥行はあえて合わせない方向でまとまりました。
キッチンは限られた中で様々な動作をする空間なので、デザインだけでなく、サイズ感、収納量はもちろん使いやすさにもこだわってプランしています。
オープンスペースは、美しいデザイナーズ家電の特等席。
美しいBALMUDA(バルミューダ)シリーズを間接照明が照らします。
下台は、炊飯器用のスライド棚と内部コンセントをプランニング。さらに、ダストボックスをしまうオープンスペースは出し入れがラクになるように、底板をなくしました。
キッチン奥のトール収納は既存のものですが、扉の色味が白だったので、カップボードに合わせてカラーリングを変更しました。壁面のアクセントクロスは「RE-51717 / サンゲツ」です。
こちらが、カップボードの図面です。吊戸棚の内部は可動棚となっており、底部分には間接照明が仕込んであるのが分かります。
オープン部のコンセントプレートは、グレーカラーに変更しました。
続いてご紹介するのが、キッチンシンク上のペンダントライト「ERP7518B / 遠藤照明」。
スマートな円筒型のデザインと、艶やかなシルバーの光沢は、隣接するダークブラウンの壁面とも相性が良く高級感があります。
ペンダントライトといえば、ダイニングテーブル上に設置を希望される方が多いのですが、頭や腕が当たってしまったり、視界が遮られることも。
そこで今回は、Yさまのご希望もあり、シンク上に設置することになりました。
ペンダントライトの位置は、現場スタッフが現地でYさまとじっくりお話しされて決定しました。リビング側とキッチン側どちらからみても凛と美しい絶妙なポジションです。
異なる色合いを美しく納めたクロスプラン
リビングダイニングの壁面クロス、天井クロス、キッチン側の壁面クロスなど、ここまでたくさんのクロスの貼り替えをご覧いただきましたが、今回はもう少しご紹介します。
プランニングの際、クロスの選定作業に悩まれるお客さまはとても多いです。リマンションでは、プランナーがある程度内装デザインに合うものを厳選し、お客さまにお選びいただくスタイルをとっています。
その中でリマンションのプランナーが意識するのは、異なるクロスが隣り合う場所の「納まり」。クロスが切り替わる部分に違和感が生まれないように配慮しています。
それでは、東京都目黒区Y邸の場合はどうでしょうか。
こちらが、LDKの入り口天井のクロスの納まりになります。
天井部分のベースクロスは、リビング側の壁面と同じ「RE-51009 / サンゲツ」。
梁部分は、キッチン側壁面と同様の「RE-51717 / サンゲツ」。
さらに、写真右側のダークブラウンの木目クロスは「WVP4149 / 東リ」で、こちらも今回の工事で貼りなおしています。また、木目クロスは正面の扉面まで貼ることで、建具の浮きをなくしました。
こちらが、施工前の写真です。壁面のクロスがほぼ白系なので、濃い色味の建具や枠が浮き上がっていますね。この違和感をなくすために、プランナーは各面のクロスを選定しながら、複数のクロスが美しく納まるようにプランニングを進めます。
木目クロスは、建具と同じダークブラウン調を選び、引き戸の裏側まで貼り合わせています。
また、巾木の一部枠も木目クロスの近似のダイノックシート「FW-334」を貼りました。
間接照明が増えたので、LDKの入り口のスイッチもズラリと並んでいます。ひとつのスイッチでどの照明がオンになるのか、毎日何度も押すスイッチなので使い勝手を考慮してプランニングが進められます。
ではここで、ベース空間を整えたことでLDKの印象がどのように変化したのか、Before&Afterの写真を並べてご覧いただきましょう。
いかがでしょうか。豪華な装飾をプラスするのではなく、オーナーさまの好みに合わせたクロスや照明演出を厳選して取り入れることで、空間の印象が心地よく変化し、洗練されました。
ご入居後にYさまがレイアウトされた、チェストやダイニングテーブルなども、空間に溶け込み統一感あふれるLDKに変貌しています。
静寂が似合うシンプルなベッドルーム
主寝室となる洋室には、ベッドヘッド面の壁にアクセントクロス「TWP1387 / トキワ」を施工し、折り上げ間接照明をプラス。
窓部には「FUGA」の調光ロールスクリーンを設置。さらに、ベッドサイドの壁面にコンセントを増設しています。
光がもたらす上質な玄関スペース
玄関扉を開けると一直線に続く廊下は、どこかやぼったさを感じる既存クロスをすべて撤去し、新たにクロス「RE-51009 / サンゲツ」を貼りました。ちなみにこのクロスは、リビングダイニングの壁面クロスと同じものになります。
もう一つのポイントは、照明プラン。天井中央に点在していたダウンライト4灯を、壁面に寄せて再設置しました。限られた空間ならではの光の演出は、大変ご好評をいただいております。
玄関の土間部分がこちら。既存のシューズ収納の下に間接照明をプラスし、オーダーミラーを設置しています。
ご提案したCGパース紹介
今回のプランニングでご用意したCGパースを一部ご紹介いたします。
こちらは最終のものになるので、施工後の写真とみ比べるとより再現率の高さを実感していただけるかと思います。
※CGパースのご提案は施工規模等の条件がございます。詳細はお問い合わせください。
最後に、こちらが全体の仕様図になります。照明計画や、工事範囲を俯瞰でみることで、全体の工事内容の把握に役立ちます。
いかがでしたか? 新築マンションの多くは、間取りを個人の好みに合わせることに限界があります。
ですが、さりげなく手を加えるだけで、洗練された唯一の住まいに近づくのです。これから新築マンションをご購入される方、デベロッパーのマンションオプションをご検討中の方は、ぜひリマンションにご相談ください。
WORKS DETAIL施工事例データ
- リフォーム工事内容
- 造作工事、オーダー家具工事、照明工事、クロス工事、ガラス工事etc.
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- 新築リフォーム